患者の証言
オウチ・ヤン
ワールドメイト救急病院の病室では、これから手術を受ける人や、術後療養中の人がベッドを並べています。そのうちの一人、オウチ・ヤンさんが、これまでの経緯を語ってくれました。
「私はトラクターを運転していました。家族も一緒に乗っていました。9月20日の仕事帰り、夕方7時ごろでした。家まであと200メートルというところで、突然の爆発が起きました」
バッタンバンから約30km、ラッタナク・ムンドルの交通量の多い道路の下に、対戦車地雷が埋まっていて、ヤンさんのトラクターが、それを起爆させてしまったのです。
爆発で、トラクターに乗っていた5人が即死。残り2人も、その時の傷のせいで、数日後に亡くなりました。亡くなった人たちは皆、ヤンさんの親族で、ヤンさんの4人の子供のうち、3人までが含まれていました。ヤンさんは、「私にはどうすることもできません。いまお話ししたことが事実です」といって口をつぐみました。
このような悲劇が繰り返される度に、戦争の傷跡が、いかに罪もない人々を、苦しめるものであるかを思い知らされます。カンボジア国内でも、最も多く地雷が埋設されてるこの地方にとって、ワールドメイト救急病院が、どれほど無くてはならない存在であるかを、このような事故が示しています。
地雷爆発現場の写真